第12章 出向
「ヒーロー達によって、八穢八斎會は潰れる。それは並行世界でも同じだよ」
僕の言葉に二人は首を傾げた。
「並行世界?」
かっちゃんが訊いてきた。
「個性が強いから何でも出来るんだよね。だから、別世界のことも見ようと思えば見れる。そっちの僕はちゃんとヒーローやれてるんだけどね」
「なっ……嘘だろ?」
かっちゃんは雷を撃たれたかのような衝撃を受けている。僕はそんなかっちゃんにニヤリと笑って見せた。
「別世界の僕がエリちゃんを守って、オーバーホールを潰した。だけど、この世界の僕は違うから、ヒーローを敵対しつつ、陰からサポートして八穢八斎會を潰してもらう」
別世界の僕はかっちゃんのようにワンフォーオールの力でオーバーホールをぶっ潰し、ナイトアイの予知をぶっ壊した。
しかし、ここでは僕が逆の立場である。トガさん達のように陰ながらヒーローをサポートして、代わりに潰してもらう。
「じゃあ、やってやんよ!」
かっちゃんは体を伸ばしながらそう言った。
「やってやるよ」
焦凍も賛成してくれた。
「よーし、頑張ろう!」
僕の掛け声に二人は頷いてくれた。