第1章 笑顔が美しい君
黒霧のワープゲートで戻ると、玲奈が居た。
『すごいね、出久。カッコいいよ』
玲奈は優しく微笑んでくれた。
「うん、ありがとう」
やっぱり、僕は彼女が大好きだ。
「さすが、出久君。君の姿に僕も感動したよ」
テレビから声が聞こえた。玲奈のお父さんだ。
「君なら僕の力を与えるに値する」
僕は彼女の父親の声に固唾を飲む。
「全てはあげられないから、強い物を少しあげようかな。黒霧、こちら出久君を連れて来てほしい」
「はい、ご承知致しました」
僕は、黒霧さんの体に飲み込まれた。
「出久君、ようこそ」
目の前には黒いマスクを着けた男が居た。これが、玲奈のお父さんか。
「君の体は個性は二つ入るくらい強くなってる。だから、僕が君に相応しい物を授けよう」
玲奈のお父さんは嬉しそうに笑っていた。
「出久君、僕のことはお義父さんと呼んでね。君は愛娘の婿なんだから」
「えっ!?」
もう結婚するという設定になっているのか。
お義父さんは僕の頭に手を乗せた。
不思議なパワーが送られてくるような、すごい感覚だった。