第11章 俺の記憶
勝己side
出久は本当に優しい人。一緒に居ると幸せになれるんだ。
かっちゃんって読んでくれて、俺だけ特別に感じるんだ。
だけど、出久には玲奈という彼女が居る。本当に二人はお似合いなんだ。
焦凍もクールでカッコ良くて優しいんだ。いつも一緒に遊んでくれるよ。
「かっちゃん、ずっとニコニコ笑ってるけど、どうしたの?」
「出久達のこと考えてたんだ。出久はカッコいいよ」
「えっ!?そんなことないよ、かっちゃん……」
出久は恥ずかしそうに照れてる。こういうところも可愛い。
まるで、俺のお兄ちゃんって感じで大好き。
――このクソデク!!
最近、頭の中で誰かの声がする。
――ナンバーワンヒーローになってやる!!
誰の声だろう。まぁ、いいや。
俺は暇だから、空をずっと眺めてる焦凍に話し掛けた。
「焦凍、遊ぼ。戦いごっこ」
「そんな危ないのするのか?やっぱり……勝己はそういうのが好きなんだな」
焦凍の言葉に首を傾げた。なんとなくこの個性を使ってみたかっただけなんだけどな。
玲奈はエリちゃんと遊んでるし、女の子の間に入っちゃいけないような気がして暇なんだもん。