第10章 死穢八斎會
「焦凍、トランプしたい」
「いいぞ。勝己、何がしたい?」
「ババ抜き!」
焦凍は意外と面倒見が良く、かっちゃんの面倒を見てくれる。
「二人共、今日はお客さんが来るんだよ」
「お客さん?」
僕の言葉にかっちゃんと焦凍は首を傾げた。
『トゥワイスがすごいヴィランを連れてくるんだって。強い人だと助かるね』
「そうだね。個性的な強さはこちらも負けてないけど、回復とか出来ないからなぁ」
『私や出久の個性でカバー出来るでしょ?』
「まぁ、そうだね」
僕らの個性は少し似ている。僕は魔力で、玲奈は操作をして傷を治せる。
「出久、俺達も対面するのか?きっと行方不明者の扱いだろ」
焦凍がかっちゃんの頭を撫でながら聞いてきた。
「大丈夫。ヴィランはバラしたりしない。むしろ、こんなに強い敵連合を褒め称えると思うよ」
ステインにかっちゃんと焦凍を手に入れたんだ。相当強いはずだ。
「ヴィランはヒーローになんか屈しないよ」
「それは言い言葉だな、そこの子供」
聞き覚えのない声に振り返ると、そこには死柄木によく見せてもらっていた写真と同じ顔があった。