第9章 新しい友達
みんなが美味しそうに頬張っているのを見て、俺も食べた。
普通に食べるより美味しい。
「焦凍、美味しい?」
「美味しいなぁ……」
こんなに美味しいと感じたのは初めてだ。
『みんなで作ったから美味しいんだよ』
「みんなで……」
そうか、みんなで一緒に作ったからこんなにもうめぇんだ。
「美味しいよね、出久、焦凍!」
爆豪が笑顔で名前を呼ぶのはカオスな情景だが、それがすごく嬉しかった。
俺はコイツらと一緒に居たい。一緒に居るのが楽しいんだ。
大嫌いな親父に復讐出来るのなら、俺は……。
「俺、ヴィランになる」
俺の言葉に出久がホッとした顔になる。
「ありがとう。一緒に頑張ろうね」
「ああ」
優しいコイツらとなら大丈夫だと思ったんだ。
エンデヴァー、テメェに最高の復讐をしてやるよ。
「本拠の第二アジトに行こうか」
「ああ、そうだな」
出久が瞬間移動をして第二拠点に着いた。
「ここが本拠地……」
物騒とした部屋だが、皆楽しそうに話をしている。
「轟君、来てくれてありがとう」
敵連合の長、死柄木弔が居た。
「君が思うような嫌なことはさせない。俺達は自由の世界を取り戻すために生きている。だから、ここでは自由に生きて良い」