第9章 新しい友達
轟side
俺がアイツを完全否定するためにヴィランになるというのか。
「まだチーズケーキ出来ないのかなぁ」
時計を見て呟く出久とそれを見て苦笑する玲奈。
この二人にも闇がある。
――立て。こんなもので倒れていてはオールマイトはおろか、雑魚敵すら……。
――もう五つだ、邪魔をするな!
アイツなんか大嫌いだ。
母さんを変えたアイツに復讐をしたいが、ヴィランになるなんて……。
もしも、俺がヴィランになったらアイツはどんな感じになるんだろうな。
泣きながら謝ってくるのだろうか。
そんなアイツも面白そうだと思ってしまう。
「焦凍。敵連合は割と自由だよ。集団で殺る時は別だけど、個人の活動もして良いんだ。まぁ、集団でエンデヴァーに襲撃すれば驚かれるだろうな」
雄英高校は別に楽しいとは言えない。
友達だって居ないし、いつも一人だ。
結局、俺がアイツが敷いたレールを走らされているだけなのか。
「あれ?かっちゃん」
ドアからひょっこりと顔を出しているヤツがあの爆豪らしい。
「怖がらなくて大丈夫だよ。かっちゃんと同い年の男の子だから。ほら、おいで」
「うん……」