第9章 新しい友達
「個性あったら、かっちゃんにいじめられなければ、僕はヴィランにならず、彼女を救い出せたのかな」
――クソデク、無個性のクセに……死ね!
もしも、無個性じゃなかったら。
もしも、かっちゃんにいじめられなければ。
何度だって僕も考えた。
この世界も充分楽しいし、彼女が世界を変える日まではのんびり過ごすつもりだ。
「それでも、爆豪を保護してるのか?」
「まぁね。リセットしたかっちゃんは別人だよ。すごい可愛いよ」
焦凍は首を傾げていた。
「また今度も一緒に話そうよ。今度は僕の彼女も連れてくるよ」
「そうか……帰り方が分からねぇ」
「ここは県外だからね。僕の瞬間移動で大丈夫だよ。僕の連絡先教えておくよ」
僕は焦凍と連絡先を交換し、僕の瞬間移動で元の場所に着いた。
「またね、焦凍!」
「ああ、またな」
焦凍も良さそうな人だし、安心した。
これから頑張って、交友関係を築いていこう。