第8章 リセットした幼なじみ
「ねぇ、出久。玲奈は出久の彼女なの?」
「あれ、何で知ってるの?」
「やった、当たってた」
かっちゃんがかっちゃんじゃない……めちゃくちゃイケメンで最高だ。
新たな扉を必死に閉じて、玲奈のところに行く。
「玲奈、何か教えたの?」
『いや、勝己君がじゃれあいの意味で好きとか言ったらトガちゃんが出久の彼女だからって止めたの』
「かっちゃん……たぶん、じゃれてる流れで言ってただけなのかな?」
かっちゃんはきょとんとしているので、この見解で正解だと思う。
中身は幼い子供に戻ってしまっているようだ。
「俺、出久も大好きだよ!優しいし、カッコいいから!」
「ああ、かっちゃん!」
僕はあまりの可愛さに抱き締めてしまった。
『出久、新しい扉だけは開かないでね』
「あっ……分かってるよ。一応さ幼なじみだからね」
玲奈に注意されるのも仕方ない。
いつもかっちゃんはガキ大将で偉そうだったから、こんな可愛いかっちゃんを見るのは初めてなのだ。
僕はかっちゃんの頭を撫でてやった。かっちゃんは嬉しそうな顔していた。