第8章 リセットした幼なじみ
記憶喪失は本当にすごい。
簡単にあのかっちゃんに同意させることが出来た。
「かっちゃんの個性は強いから助かるね」
「個性?」
「個性は一人一人が持ってる力のこと。かっちゃんは手から爆発させることが出来るよ」
かっちゃんは僕の説明を聞いて試しにやってみようとする。すると、かっちゃんはすんなりと爆破させることが出来た。
「出来た!」
「すごいね。だけど、使うのはほどほどにね」
「はーい」
素直に僕の話を聞いてくれるなんて、夢のような話だ。
少しブラックだが、彼を僕に慕わせ、僕は彼を駒として使えば良い戦力になる。
僕は元ヒーロー志望者だ。どんなに憎い奴でもそんな悪いことにはあまり使わせないつもりだ。
「出久!俺、強いヴィランになるよ!」
「うん、一緒に頑張ろうね」
普通に笑ってるとカッコいいな。さすがかっちゃんだ。
「トガさん、僕は死柄木と打ち合わせに行くので、かっちゃんと遊んで下さい」
「わぁ、良いですよー。勝己君、トランプしましょう!」
僕は玲奈の頭を撫でた。
「ちょっと行ってくるね。かっちゃんをよろしく」
『うん、行ってらっしゃい』