第8章 リセットした幼なじみ
僕らをヴィランだと知らないからか、かっちゃんはすんなりと皆を受け入れた。
ただ、一人は……。
「爆豪君、俺は死柄木弔だ。よろしく」
死柄木が自己紹介をすると、かっちゃんは僕の後ろに隠れた。
「あっ、よろしくお願いします……」
かっちゃんが死柄木を怖がっているなんて恐ろしくあり得ない話だが、本当にかっちゃんは怖がっているようだ。
『死柄木が怖いのは仕方ないよね』
「おい、玲奈……」
玲奈が怖がっているかっちゃんの頭を撫でていた。
その様子に腹を立てた死柄木は別室に行った。
「えっと……同じ年だから出久と 玲奈さんで良い?」
『うん、良いよ』
かっちゃんが出久って呼んでくれるのが嬉しい。
かっちゃんにこの世界のことを説明しないといけない。さて、どうやって説明しようか。
「僕らはヴィランなんだよ。人を変えてしまったヒーローを倒すためにいるんだよ」
かっちゃんはきょとんとしていた。
「ヒーローはこの世界を支配してしまった。元の世界を取り戻すために僕らヴィランはヒーローを倒すんだよ」
「へぇー」
かっちゃんの目が輝いた。
「すごいね!俺もヴィランになる!」