第8章 リセットした幼なじみ
「ありがとう、玲奈。決心してくれて嬉しいよ」
僕は彼女の頭を撫でた。すると、玲奈は涙を流した。
今すぐ世界を変えようとしないのは代償が大きいからだろう。それを分かって僕らは追及しなかった。
ずっと僕のことで責め続けていた玲奈が協力すると決意してくれた。だから、僕らは頑張らないといけない。
轟焦凍か……個性は半焼半冷だった気がする。
彼はどうしようもない闇を抱えているのなら、一歩動かせばこちらの物になる。
同い年だし、今度話し掛けてみようかな。
「うっ……ここどこ?」
かっちゃんがケロッとした顔で目を覚ました。
「俺は誰?」
定番な記憶喪失ネタに僕はビックリする。
「えっと、君は爆豪勝己で、僕は幼なじみの緑谷出久。よろしくね、かっちゃん」
「うん!」
かっちゃんが満面の笑みをしている……夢みたいだ。
かっちゃんの変わり様にその場の雰囲気が一転する。
『私は玲奈。勝己君、よろしくね』
「よろしくな」
『勝己君が笑顔って、すごい……』
人はリセットするとこんなにも変わるものなのか。
「リセットした勝己君カワイイ!」
トガさんがかっちゃんの笑顔に興奮している。
「トガです!トガヒミコです!勝己君、よろしくねぇ」
「トガさん?よろしくお願いします」