第8章 リセットした幼なじみ
僕の中では第二アジトと呼んでいるところに来た。
「とりあえず、安静にしてるしかねぇな」
死柄木の言葉に僕は頷く。
「その間に戦力を拡大していかないとね」
僕は死柄木に笑って見せると外方を向かれた。
『出久……』
玲奈が駆け寄ってきた。
『あまりこういうことに協力したくないけど……出久のためなら話すよ』
「ん?どうしたの?」
『私、個性を持ってたの。出久みたいに何でも出来る個性。その個性で平行世界の出久達を見た』
玲奈の言葉に僕らは唖然とした。
『出久が体育祭で轟君を助けるの。だけど、出久は居ないから、轟君はずっとお父さんを恨んだまま。だから……』
玲奈の顔はなぜか自信に満ちていた。
『轟君に接触すれば、私達の戦力になる。彼の個性も最強に近い。私達を慕ってくれたら強くなれる……』
そう言った玲奈の瞳は震えていた。
『私、決めたの。この敵連合が敗北、または勝利するまで、私はこの世界に生きる。もしも、ゴールに到達したら私が元の世界に戻すの』
気付けば、玲奈の瞳は決意で燃えていた。