第8章 リセットした幼なじみ
次の日。テレビを付けると、雄英高校が記者会見を行っていた。
ヴィランはかっちゃんの素行の悪さに手を付けてヴィランにさせようとしているとどこの記者もイレイザーヘッドに質問する。
だが、それは勘違いだ。きっとこの先生も分かってるだろう。
かっちゃんはとにかく勝利にこだわる男だ。それを知ってる僕が居るからかっちゃんは迷っているのだろう。
ヴィランに勝つか、僕と玲奈を救うか。
そんなこと、長年の付き合いで顔を見れば分かってしまうものだ。
「かっちゃん、君の考えていることは分かるんだよ。柄にも合わないことは考えない方が正解だよ」
「チッ……」
かっちゃんは壮大な舌打ちをした。どうやら図星だったようだ。
「俺は、テメェを戻す!殺しもしてねぇテメェなら何も咎められねぇはずだ!」
僕は人を殺さない。その代わりに僕はヴィラン達に救いの手を差し伸べる。
ヴィラン達の中では『ヴィランヒーロー』だとか言われて、ヴィランなのかヒーローなのか分からないあだ名を付けられた。
「そういう言葉を言えるのも今日で最後だね。かっちゃん」
「はっ……」
僕はかっちゃんの頭に手を置いた。