第6章 悲しみの終止符
「玲奈、君は責めなくて良いんだよ。僕は玲奈と生きたいだけだから」
玲奈から体を離してかっちゃんを見た。
「かっちゃん、君を殺す」
「止めろ、緑谷少年!」
「グワッ!」
オールマイトが止めに入ろうとした時、口から黒い液体が出てきて僕を包み込んだ。
気付けば、お義父さん(オールフォーワン)が居るところに居た。
「出久君、君の狂い具合は最高だよ。それくらい狂ってないとヴィランは務まらないよ。僕の愛娘を守ってくれ」
「はい!」
お義父さんがマスクの中で微笑んでいるような気がした。
腕の中に居る玲奈は体を震わせていた。
「緑谷少年、君は騙されている!」
「オールマイト。それを言ってしまうと、我が娘が更に苦しむよ」
オールマイトの言葉が聞こえたのか、玲奈はその場に泣き崩れた。
『全部、私のせいなの。私がいけないの』
「玲奈が悪いわけじゃない。かっちゃんがいけないんだよ」
僕はかっちゃんにビームを当てた。不意討ちだからか、かっちゃんは軽く打ち飛ばされた。
「僕は彼女を愛してる!彼女が居るから僕は生きてるんだ!」