第6章 悲しみの終止符
ワープゲートが開いた。そこには、かっちゃんの姿があった。
「デク……」
「かっちゃん、久しぶり。ムカつくくらい元気で何よりだよ」
かっちゃんは舌打ちをし、拘束椅子に座らされた。
「かっちゃん、ヴィランには興味ない?」
「ふざけるな、テメェを変えちまった世界になんか行きたくねぇよ」
「相変わらず、その態度は改善しないのかな」
僕は嘲笑うように笑った。そんな僕を見てるかっちゃんの顔がとても悲しそうで、笑えてくる。
「誰のせいでこうなったか分かってないの?ねぇ、かっちゃん。君のせいなんだよ!」
かっちゃんのタンクトップの首元を引っ張った。かっちゃんは張り詰めた顔をしていた。
『違うの、私のせいなの……』
「玲奈は違うんだよ」
もしも、僕がかっちゃんにいじめられていなくて、個性も持って居れば、必ず玲奈を連れ出していた。
だけど、あの時はかっちゃんのいじめから逃れたい一心で拐ってほしいと玲奈に頼んでしまったんだ。
だから、彼女は自分のせいだと責めてしまっている。
「全てはかっちゃんのせいだよ」