第6章 悲しみの終止符
正に今、ヴィラン開闢行動隊がかっちゃんを拐いに行っている。
玲奈がとても暗そうな顔をしていたので、話し掛けてみた。
「玲奈、どうしたの?」
彼女は辛そうな顔をして俯いた。
『私、個性があったみたいなの。出久みたいに何でもできる個性で、平行世界の出久の人生を見たの』
「えっ……」
『それを見て、悲しくなったの。もしも、私に出会わなければこんなことになってなかったのにって……』
玲奈、また自分を責めていたんだ……。
『もう、これ以上出久を黒に染めたくないの。だった出久は……』
「玲奈、僕はね……」
『私、見ちゃったの。出久がオールマイトに気に入られて最高のヒーローになるのを』
玲奈の言葉に目が点になった。
僕がオールマイトに出会って気に入られて最高のヒーローになる。どういうことか分からない。
もしかして、かっちゃんみたいに能力をもらって、平和の象徴になれるというのか。
そんな世界があるのか?