第5章 笑顔の裏に恐怖
トガさんと荼毘さんにはそれぞれ自宅みたいなアジトがあるらしく、散々遊んで帰って行った。
「緑谷」
僕は死柄木に呼ばれて、隣のカウンター席に座った。黒霧にウーロン茶を頼んで一口飲んだ。
「アイツらを受け入れてどうしようと考えているのか聞かせろ」
出来れば長の死柄木自身で考えてほしかったが、彼の能力じゃここまで無理だろう。
「僕の見解は、彼らを雇い、使えるところは使うこと。肝心のボスが亡くなったら元も子も無いだろ?だから、彼らを駒として使うんだ。僕らがプレイヤーだ。これからはRPGではなくSLGなんだよ」
黒霧は目の前で拍手していた。
「さすが、緑谷さん。そういうことですよ、死柄木弔」
「うるせぇな……なるほどな……」
納得したように頷いていた。
「僕らは能力だけにすがるこの世界を変えて、平和に生きれる世界を作りたいんだ。玲奈といつまでも安心して愛し合えるような世界をね」
「狂ったな……」
死柄木の言葉に自分自身も納得出来る。
どうやら、ヴィランとして生きてきた影響によって心は黒く染まってしまったようだ。それでいて玲奈に溺愛とは、不味いヤツになってしまった。
「じゃあ、僕は部屋に戻るよ」
僕は玲奈が居る部屋に戻った。
「玲奈、ヤろうか」