第5章 笑顔の裏に恐怖
「みなさん、トランプしたいです!」
トガさんの発言により、なぜかハバヌキをやることになった。死柄木と黒霧を除いた五人でやることになった。
「緑谷、受け入れんな……」
「死柄木、人を受け入れて勢力を拡大した方が良いと思うんだ。せっかく働きたいって言うから雇った方が良いよ」
僕の言葉に死柄木は舌打ちをしてそっぽを向いた。
トガさんは、荼毘さんの隣で鼻歌を吹きながらトランプを配っている。
最後にハバが僕のところに残り、ステインが必死に取らないように考えていて面白かった。結局はハバを抜いてしまった。
「フンッ、下らん」
僕らは悔しがっているのを察して微笑んでいた。
「ステ様、最高です!」
「あっそ……」
よっぽど悔しかったのか、設けられた自室に戻って行った。それを見た僕らは吹き出して笑っていた。
「ステイン、あんなにギャップあるなんて……」
『ステイン、面白いところあるよね』
玲奈はクスクスと笑っていた。
「緑谷だったか?ステインっていつもああいう感じか?」
ステインはいつもパジャマでバーに来てメロンパンを食べていて、僕らと普通に会話してくれている。特に僕とはオールマイトの話で盛り上がるのだ。
「ギャップ……」
荼毘はボソッと呟いた。その呟きに玲奈はクスクスと笑っていた。