第4章 保須市でデート
『私に出会わなければ、出久はあんな楽しい毎日を送れてたのかなって思ったんだ……』
「違うよ」
『違わない。出久は勝己君達を羨ましそうに見てたよ』
玲奈には敵わないと思った。僕はけっこう見透かされている。
「もう僕のことで悩まないでほしい。僕はこの世界を変えるんだよ。変えることが出来たら、結果的にみんなのヒーローだよ」
玲奈は僕の言葉にハッとした表示をし、難しい顔でココアを飲み干した。
「玲奈、何食べたい?少し気分を変えようか」
『うん、そうだね。じゃあ、この大きなホットケーキ』
「あっ、これね。すみません!このホットケーキとハンバーガーをお願いします」
僕らは頼まれた品物を咀嚼する。彼女は幸せそうな顔で食べていた。
『美味しい!』
「良かった」
玲奈はヴィランの娘でも普通に女の子だ。スイーツを食べたくなったりする。
「帰る?それとも、ホテル?」
『えぇ……』
黒霧に電話をし、人気の無い道でワープさせてもらった。
「二人共、デートは楽しかったですか?」
『うん!アレとかして、買い物行ったよ』
「アレとは?」
玲奈は顔を真っ赤にした。昨日ヤったことを思い出したのか。
僕はそんな彼女が可愛くて、思わず抱き締めてしまった。
「玲奈、大好き!」
『私もだよ、出久』