第4章 保須市でデート
デートと言われても何をして良いか分からないので、周辺にある施設をスマホで検索してみた。
「ショッピングモールとかあるみたいだよ」
『ショッピングモール!?行きたい!』
玲奈にとって、外の物全てが初めてなのだ。異常に興奮するのも仕方ないのだ。
このショッピングモールは規模は小さいが、それなりに楽しむことができるだろう。
「玲奈」
『ん?』
僕は彼女の手を握った。この握り方を人は恋人繋ぎと言う。
玲奈は顔を真っ赤にしていた。
「大好きだよ」
その言葉は衝動的に発せられた。とにかく言いたくなったんだ。
彼女は肩をビクッと震わせ、リンゴのように顔を真っ赤にさせた。
「可愛い」
『ちょっと……!』
やっと甘いデートになってきた。
デートに行ったは良いが、体育祭を観戦した後だと気付いた。外は夕方、どこかに泊まった方が都合が良い。
「玲奈、デートは明日で良い?もう夜だし、ホテルで泊まろう」
『うん、そうだね』
純粋過ぎる玲奈には分からないだろう。
これから起きることが。