第4章 保須市でデート
ステインはニヤリと笑った。隣で死柄木が想像以上の説明に驚いている。
「お前はヒーローになれる。後のヴィランというヒーローに……」
僕はステインの言葉に目を見開いた。
「僕が……ヒーローに……」
「本当はヒーローになりたかった顔をしてる。俺は協力する」
僕はステインに言い当てられて、ビックリした。僕って、分かりやすいのかな。
そうじゃなくて、ステインを敵連合に入れることが出来た。あの最恐のヴィランを。
「緑谷、やるなぁ……あのノートを見せろ」
「あっ、はい!」
僕は書き留めてあったノートを死柄木に渡した。ステインも覗いて見ている。
「これはすごい……」
ステインも死柄木も驚いている様子だったんだ。
「ノートの題名……ヒーローになりたかった感じすごいですね」
黒霧がそう言って、クスクスと笑っていた。
こんなに頑張って書き留めても、無個性で意味無かったけど、ここに来て使われるとは思ってなかった。
『出久、やっぱりヒーローになりたかったの?』
「いやぁ、もう良いよ。僕は玲奈のヒーローになれれば良いんだ」
僕は彼女の頭をポンポンと撫でた。
「デートに行って来たらどうだ?保須市に行ってみろ」
ステインの言葉に僕らは目を見開いた。ステインってこんなキャラだっけ?
丁度良い。僕は玲奈と一緒に行きたかったから。