第3章 体育祭観戦
表彰式なんだけど……。
『勝己君、ヤバくない?』
「ああ、バカだね」
かっちゃんは拘束されていてもなお蠢いている。本当にヤバいヤツにしか見えない。
「ふざけんな!」
かっちゃん……君というヤツは呆れるなぁ。
『よくあの人と幼なじみ続けられたね。そりゃ、あんな復讐するよね』
「いやぁ、まぁねぇ……」
先日の事件で僕は彼をボロボロにした。それで僕は恐ろしい快楽を覚えてしまったんだ。
僕は怒り狂っている彼が大嫌いだ。
『出久……』
「行こう、玲奈」
『えっ……鋭君と電気君は?』
僕は彼女の腕を引っ張って歩き出した。
あんなくそったれた男なんて大嫌いだ。みんなと仲良くして、危うく騙されるところだった。
目の前に黒霧が現れ、僕らは通過した。
「出久君、どうしたかな?」
お義父さんの声も聞こえず、僕はずっと苛立っていた。
『あのね、お父さん。友達が出来たんだ。電気君と鋭君!』
「おおー良かったね」
死柄木はため息を吐く。
「何で、お前は敵と仲良くしてんだよ」
「良いじゃないか。玲奈のコミュニケーション能力向上も図れるし、みんなの特徴が掴めて、戦略が立てやすくなるよ」
それでも、僕のイライラはなかなか治まらなかった。