第3章 体育祭観戦
最後の種目はトーナメント戦だった。
かっちゃんは麗日さんと戦うみたいだ。
「みんなすごい。こんなに個性を使いこなしててすごいや。僕には到底できないや……」
『いや、出久は出来てるよ』
「本当に?」
『あの個性を使い合わせるってなかなか難しいと思うよ。個性が無い私が言うのもアレなんだけどね』
玲奈は苦笑した。彼女は無個性だからか。
僕はたくさんノートにみんなのことを書き込んだ。僕のためになるし、敵連合のためにもなる。ただ、僕の趣味だが。
「このクソナードが」
「あっ、また来た」
「あっ、じゃねぇわ、クソデク」
またかっちゃんが隣の席に来た。
「爆豪、旧友と一緒なんだ」
「クソ髪、アホ面。テメェらは来んな」
『うわぁ、酷いあだ名。無駄にネーミングセンスが良いのがムカつく』
「テメェは黙ってろ!」
赤い髪の人と黄色い髪の人がかっちゃんの近くに来た。
「かっちゃんにも友達が居るんだね」
『本当、意外だね』
「うるせぇ!黙ってろ、クソ野郎共!」
『酷っ……』
隣で玲奈は嘆息を吐く。彼に呆れてしまうのは、無理もない。