第3章 体育祭観戦
『これとこれでいいかな……出久に似合わないと思われてそうな服じゃないと……』
玲奈は僕のために服を選んでくれている。そんな姿も愛しい。
「お前ら、あんな体育祭を観戦して何の意味があるんだよ」
死柄木が聞いてきた。
「みんなの個性を把握しておけば、後の戦いで攻略しやすいでしょ?それに僕はそういう趣味だからさ」
「あっそ……ある意味変態だぞ」
「まぁ、本当にオタクだからね」
僕はどれだけ狂ってもマシンガントークは止まらない。内容が狂ってきただけだ。
『出久のノートすごいもんね。色んなヒーローについて書いてあるよ』
「はぁ?あるなら最初から見せろ」
死柄木がノートを渡せと言わんばかりに手招きしている。
「嫌だ。体育祭観戦に必要だから。後で見せてあげるよ」
大迫力の体育祭、早く見たいなぁ。
かっちゃん、君は当然一位だろ。それがムカつく。
別室で着替えを終えた。僕は玲奈の服を見て驚いた。
青いストライプが入った爽やかなワンピースの上に薄い白いカーディガンを羽織り、ポニーテールに大きな黒縁メガネを掛けていた。
「玲奈、すごい……」
『出久もすごいよ』
僕は、ジーパンと黒いTシャツの上に黒いパーカーを羽織り、帽子を被って黒縁メガネを付けている。
「二人共、行ってらっしゃいませ」
そして、僕と玲奈は黒霧の体をくぐった。