第2章 USJ事件
間章 あの幼なじみは
突然、デクが行方不明になった。おばさんはいつも泣いていて、支えるのに一苦労だった。
どこを探しても見当たらない。アイツはどこに消えたんだ?さっさと戻って来いよ。
まさか、俺の言った通りにどこかでくたばってちまったんじゃないか。そんなことを考え、身を震わせた。
USJのレスキュー訓練の時だった。変なヴィランが来やがった。
「かっちゃん……」
ヴィランの中でそう呼んだヤツが居た。声も背丈もアイツと変わらない。まさか……。
ビームを放ち、黒い翼を広げるヴィランは君とは違う。
だけど、やっぱりデクだ。誰かから個性をもらったのだろうか。ヴィランになってしまったというのか。
「デク……」
その仮面を外してくれ。お前が本物なのか、確かめてぇんだよ。
ヴィランはパチンと指を鳴らした。すると、個性が使えなくなった。
そいつの個性は『悪魔』と『ビーム』。まさかの複数持ちだったのだ。
ボロボロな俺にクソ髪が駆け寄る。こっち来んな、これは俺たちの問題だ。
『出久……』
「玲奈」
綺麗な女がそのヴィランに駆け寄った。やっぱり、アイツはデクだったんだな。
激闘の末、オールマイトが来た。脳無を倒している中、女を抱えたデクが空を舞っていた。
スナイプがデクに狙いを定めていた。個性が使えるようになっていて、急いでアイツらのところに向かった。
デク達を地面に押し倒すと、デクは立ち上がって俺を蹴飛ばした。
「何言ってるの、かっちゃん……僕は君のせいで人生が狂ったんじゃないか!」
やっぱり、俺のせいだと言うのか。仕方ないよな。あれだけいじめたんだから。
デクに蹴られ続けた後、デク達はワープゲートでどこかに消えやがった。
「デク、デク……デク!」
叫んでもテメェには届かないことは知ってる。
そんなボロボロな俺にオールマイトが駆け寄った。
「爆豪少年、話がある。全てを晒そう」