第2章 USJ事件
スナイプに撃たれ、血だらけの死柄木は僕を睨み付けた。
「緑谷、お前は暴走し過ぎなんだよ……」
言われてみると、かなり狂ってたかな。
雄英に通ってるかっちゃんにムカついただけだし。
とりあえず、個性で回復出来ないか試みる。しかし、死柄木の傷は治りはしなかった。
「お前、回復もらってこいよ……」
トレーニングはしてたけど、個性が入るくらいは強くなっていない気がする。
「出久君、一回こちらに来てほしい」
お義父さんに言われて、黒霧の体に入った。
「出久君、どうも。今日はどう思った?はっきり言ってほしいんだ」
お義父さんの優しい声を聞いて、涙が溢れ出してきた。
「ヒーローになろうとしてるアイツらが羨ましかった。コスチュームとか着てるのが羨ましかった。僕はみんなみたいにヒーローになりたかった……」
ヒーローを目指してる人達が羨ましかった。
「そっか。でも最終的に僕の愛娘を選んでくれたじゃないか。ヴィランとして自信を持って生きてほしい。ヒーローなどどうでもなるくらいにね」
そっか。僕はヴィランなんだ。それに誇りを持って生きればいいんだ。
「はい!」
僕は元気良く返事をした。