第2章 USJ事件
かっちゃんの言葉に僕の中にある何かが切れた。
「何言ってるの、かっちゃん……僕は、君のせいで人生が狂ったんだ!」
僕はかっちゃんの体を踏み潰すように蹴る。
「今更偽善面すんなよ!お前のせいで、僕はこんなに狂ってしまったじゃないか!」
『出久、違う、私の……』
「玲奈は違うよ。コイツがいけないんだよ。ヒーロー志望のクセに人をいじめて、最低なヒーローだよ。もはやヴィランだよ。」
本当にかっちゃんが許せない。
かっちゃんは蹴り潰すと、とても苦しそうな顔をしていた。それで、変な快感を覚えたんだ。
復讐って、楽しい……。
「爆豪少年!」
「オールマイト……黙れよ。俺のせいなんだよ……」
僕はニヤリと笑った。
「良いなぁ、かっちゃん。大好きなオールマイトに名前を覚えられて。なのに、僕は……」
「君は……」
僕は彼女の手を取った。
「緑谷、帰るぞ。暴走するのはいい加減にしろ。リーダーより目立ってる」
「じゃあ、玲奈、帰ろう。またね、かっちゃん」
かっちゃんはとても悔しそうな顔をしていた。
僕らは黒霧の体をくぐった。