• テキストサイズ

漆黒に染まる【敵デク】

第2章 USJ事件





仮面の中で涙が伝う。


これで正解だったんじゃないか。


自分で彼女の友達になるって決めたじゃないか。


しっかりしろ、僕はヴィランの緑谷出久だ。


「いいなぁ……かっちゃん。僕も仲間に入れてよ」


僕は高く舞い上がると、世界は闇に染まった。


地面には亀裂が入り、バリバリと崩壊していく。


「緑谷出久!暴走はダメです!」


黒霧が僕を止めにワープゲートを開く。僕のそれを弾いた。


「無個性だっただけでヒーローになれない?ふざけんなよ……僕も人間だ。夢ぐらい見てしまうだろ」


「デク……デク!」


かっちゃんが蔑称で僕を呼び続ける。それがいけないんだよ。


僕だって、普通に生きたかったんだよ。


――出久。


玲奈のために僕は生きるんだ。


彼女のヒーローになるのが、僕の夢だったじゃないか。


「個性の有無、個性の強さで差別するなんて馬鹿馬鹿しいよ……」


「デク!悪かったから戻れよ!」


「戻るわけないだろ。僕は彼女と一緒に生きるんだから」


ああ、僕はかなり狂ってしまったようだ。


「緑谷、リーダーの俺より目立つなよ」


もはや、死柄木の声も聞こえない。


「デク!」


かっちゃん、君に最高の復讐を……。



/ 112ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp