第2章 USJ事件
僕は新たな個性をもらうために特訓に励んでいた。
四月の始まりだった。ヴィラン会議が行われたのは。
「俺達はオールマイトが授業するUSJに乗り込む。そして、卵共をボコボコにしてほしいんだ」
死柄木は長い説明だが、適切に作戦の内容を説明してくれた。
「緑谷。お前は変装しろ。外じゃ行方不明者の扱いになってるぜ。しかも、お前知り合いが居るらしいな」
死柄木の言葉に僕はアイツを思い出した。
僕の幼なじみであったかっちゃん。今となっちゃ敵だ。
この手でアイツの未来を踏み潰してやる。
「USJに乗り込むのは明日だ。お前は個性を使いこなせるようにしろ」
「はい」
大好きだったオールマイトに会える。それは嬉しいのだが、僕らにとって敵だから何とも言えないのだ。
『出久!』
今はオールマイトなんかより、玲奈が大好きなんだ。
『変装はこの服装で良いかな?』
彼女が選んでくれた物なら僕は喜んで使わせてもらおうじゃないか。
『当日、髪型も良い感じにするね。あの怖い人にバレないようにね』
「うん、ありがとう!」
僕は笑顔で彼女に言ってみせた。
彼女も笑ってくれた。
ああ、僕は君に心を奪われてしまったよ。
もう君しか愛せない気がするな。