第13章 文化祭
文化祭が終わったあと、相澤先生に呼び出された。
「お前、あの子と会っただろ」
「えっ?」
あの子って玲奈ちゃんのこと?何でバレてるんだ?
「お前が外部の女子と接触しているところが監視カメラに映っていた」
完全にやらかした……。
「俺達はあの子を調査している。何か分かることがあれば教えてくれないか?」
別に教えられることなんて何もない。ただ、彼女が綺麗だってことしか言えない。
「……何も無いっす。本当に俺は知りません」
俺はその場に居ても立っても居られなくて、職員室から抜け出した。走って走って、自分の寮の部屋に入った。
ずっとベッドで寝転がっていると、上鳴が部屋に入ってきた。
「切島!何でそんなに暗いんだ?お前らしいねぇーぞ!」
「何ともねぇって言ってるだろ」
「漢らしさを求めるお前はいつも元気だったじゃん?」
俺は、漢らしいあのヒーローになるために、俺はヒーローを志した。
今ではあの子のせいで心が揺らいでいる。ヒーローを諦めて君を近くで見ていたい……なんて、馬鹿だよな。俺、おかしくなっちゃったのか……。
「きっ、切島!?」
涙が止まらない。どうしてだろうから
俺のこの恋は一生叶わねぇって分かってるのに、君が好きで好きで忘れられない。
このまま彼女と対峙するヒーローになんてなれねぇよ……。
「ごめん、上鳴。出て行ってくれ」
「あっ、ごめんな……」
上鳴は申し訳無さそうな顔して部屋を出て行った。そして、俺はひたすら泣いた。