第13章 文化祭
心が揺らぐ前に早く帰ろう!
私は、呑気にエリちゃんと射的で遊んでいる出久達にもとに駆け寄った。
『出久!』
「どうしたの?玲奈」
『帰りたい……』
「えっ?」
出久は私の言葉にきょとんとしている。
『疲れちゃったから、早く帰ろうよ』
多分みんなはもっと楽しみたいと思う。だけど、ここに居たら私の頭がおかしくなりそうだ。
私はヒーローになんかならない。出久達と最後までやり遂げるんだ。
「分かった。帰ろう、玲奈」
出久はそう言って優しく微笑んだ。
「まァ、俺もつまねぇと思ってたし」
「確かに疲れるだろう。帰るぞ、エリ」
「うん!」
勝己くんも焦凍くんもエリちゃんも了承してくれた。
『ありがとう!早く帰ろう!』
「うん!帰ろう、玲奈」
私と出久は手を繋いで歩き、勝己くん達はその後ろを歩いている。
私はこの平和をずっと逃がしたくない。
私は出久と、この敵連合と生きていくんだ。
終わりの時までずっと、ずっと……。
黒霧が現れて、私達は黒霧の体をくぐった。アジトには死柄木達も居る。
「玲奈ちゃん達、おかえりなさい!!」
トガちゃんが笑顔で私に抱きついてくる。
そう、私はこれでいいんだ。