【HELLSING】Eternitate...【アーカード】
第8章 MISUNDERSTANDING
「!」
思わずハッと息を飲んだ。
凛と立つインテグラ様とその前に跪くアーカード。
インテグラ様の指先から滴っているのは…血?
そのぽたりぽたりと滴る血の雫が、首を上げたアーカードの口の中にゆっくりと…零れ落ちてゆく。
「いいのか?私はリーナじゃないぞ」
「お前のが良いんだ、インテグラ」
ーーー…
そこまで聞いて、私はそっとその場を後にした。
それ以上、聞いていられなかったから…。
あんな出来心、起こさなきゃ良かった。
盗み見なんて…悪いことをした罰が当たったのね。
こういう時ばっかり、神様っていうのはよく働く。
インテグラ様の自室の扉が見えてきて、昨日のことをより鮮明に思い出してしまう。
「はぁ…」
もう一度大きくため息をついた。
「それじゃあ失礼します!」
「あ!」
ドンッ
私が前を向いた時には既に遅し。
インテグラ様の自室から出て来たセラスさんと真正面からぶつかってしまう。
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