【HELLSING】Eternitate...【アーカード】
第6章 KISS
「なぜ、私に会いたいと?」
アーカード様はじっと私の目を見つめてくる。
「理由がないと会いに行ってはいけませんか?」
「ふふ、はははははーー…」
私の返答に、彼は肩を揺らして笑う。
「理由も無しに会いたいと思ったのか?」
「そうですね。そう思った時もありました。でも、今日は違います」
私はアーカード様の方を見れずに下を向いて自分の唇に触る。
「昨日の続きが…知りたいの」
「昨日の続き、か」
アーカード様が私の顎をクイと上げる。
顔が近づいてくるにつれ、昨日のようにドキドキと胸が高鳴りが増していく。
「お前もその気なら…いいだろう」
あと少しで唇が触れそうになった瞬間、ふと昨日のアーカード様の言葉がよぎる。
私は顎を引いて彼の胸板を少しだけ押してみる。
すると、彼は不思議そうな顔で私を見つめていた。
「少しは抵抗しろって言われたものだから…」
合点のいった彼はフフとまた笑った。
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