【HELLSING】Eternitate...【アーカード】
第5章 WHERE I BELONG
男性は怯えきった様子なまま足を滑らせ、その場に尻餅をついた。
その拍子に、持っていた拳銃も床に転がった。
その拳銃の銃口からはまだ煙が揺らめく。
「さっきまでの威勢はどこへ行ったんだ?もう撃てないとは言わせんぞ。化け物はここだ。化け物は彼女ではない。彼女は人間だ」
「!」
私はハッとする。
私は…人間。
私の魔術を見ても魔女と言わず、人間と言ってくれた。
初めて…そう言われた。
「化け物はこの私だ。そうだろう?人間」
アーカード様は男性を見下ろし、その体に深く暗い影を落とした。
男性にアーカード様がどう見えているのかなんて容易に想像がつく。
「ば、化け物が…っ。英国から出て行け…!私は…私は人間だけの国にいたい…」
男性は頭を抱え、震えながらうずくまる。
「なら人間が人間を撃つな。撃つなら化け物だけにしろ。だから阿呆と言ったんだ」
アーカード様がハッと鼻で笑うと、インテグラ様が彼を止める。
「やめろ、アーカード。もう彼に戦う意思はない」
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