【HELLSING】Eternitate...【アーカード】
第5章 WHERE I BELONG
…でも!
今なら助けられるかもしれない!
「魔法…なのか?」
インテグラ様が目を見開いて私に聞く。
そこでハッと我に返った。
私はただ小さく頷くしかなかった。
「治るのか…?私の部下は…人のまま完治するのか?」
「わかりません…。でも…」
私は手をかざすのをやめると魔法陣もすぅと消えていく。
「最善は尽くしました」
私がそう言うと、インテグラ様は落ち着いた隊員さんの顔を見て拳を握り、泣きそうな顔をしていた。
「感謝する…っ」
いつもじゃ考えられないほど不安に押し潰されそうになっていたインテグラ様だったけど、これで少しでも気が楽になれば良いのだけど…。
「リーナ」
ふと、アーカード様の声が隣から聞こえた。
見上げると、彼はじっと私を見つめている。
「お前があの時…『誰も助けられなくて』と謝っていたのはこの事だったのか…?」
「え…?」
「私があの村でお前を助けた時に言っていた言葉だ」
ーーー…
「ごめんなさい…っ。誰も…助けられなくて、ごめんなさい…」
ーーー…
私はあの夜のことを思い出す。
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