【HELLSING】Eternitate...【アーカード】
第5章 WHERE I BELONG
インテグラ様は隊員さんに声をかけ続ける。
「すぐに助けが来る。それまで気をしっかり保つんだ」
「い、いえ…。局長、私は…」
隊員さんはそう言って、抑えていた腕から震える手を離した。
「噛み跡…!」
セラスさんが声を漏らし、私も思わず口元を押さえる。
隊員さんの腕には歯型ー…グールの噛み跡がくっきりと刻み込まれていた。
傷口は血が滲み、隊員さんの顔色もだんだんと青白くなってゆく。
すると、インテグラ様が銃を隊員に突き付ける。
「インテグラ様!」
私は思わず叫んだ。
「さっきも…同じことをした。この責任は私が取らなければならない。私は、大丈夫だ」
インテグラ様…。
気丈に振る舞ってはいるけど、血が滲むほど唇を噛んで…。
ウォルターさんもインテグラ様を見つめながら拳を握りしめてる。
「先程もお嬢様は…動けなくなっても血を求めて呻くグールと化したヘルシング隊を銃で撃ちました。自我を失い、ただ動く死体となった同胞を楽にしてやることが…お嬢様にできる償いでもあるのです…」
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