【HELLSING】Eternitate...【アーカード】
第4章 SYMPATHY
「怖いのは当然だ」
怖い…。
そうだ。
私は怖いって思ってる。
でも、あなたは違う。
あなたもこの白スーツの男と同じ吸血鬼。
けれど、私をちゃんと見てくれてる…。
さっきもそうだった。
私の話を聞いてくれて、私のことを知ろうとしてくれた。
この白スーツや村長のような他の吸血鬼とも、他の人間ともまるで違う。
こんなに…違う。
「お戯れのところ失礼。いや、お食事前と言った方が正しいか?」
「この子猫は食後のデザートだ。待ちくたびれついでに楽しもうと思っていたが、お前のせいでおあずけだ」
すると、アーカード様は私の耳元で小さく囁く。
「さっきのように隅で縮こまっていろ」
「嫌です…!」
こんな時に一人になるなんてまっぴら!
怖くて怖くて…今にも逃げ出したいのに。
それを我慢できているのは、あなたがこんなに近くにいるからなのに…。
「お願いです。そばにいてください…っ」
アーカード様は一瞬驚いて目を丸くしたかと思うと、すぐにニッと笑みを浮かべた。
「奴の狙いは私だ。ここにいると巻き添えを食うのはお嬢ちゃんだぞ?」
私は一目散にアーカード様の膝の上から降り、言われた通り部屋の隅から見守る。
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