【HELLSING】Eternitate...【アーカード】
第4章 SYMPATHY
すると、アーカード様は私の髪を耳にかけて微笑んだ。
「お前のような人間は珍しい。素敵だ。お前という存在にとても興味をそそられる…。とても…そそられる」
彼の赤い双眸に、私の顔が写り込む。
「私とは似て非なる存在…。お前を是非とも私のものにーー…」
彼の高揚した顔が私に近付いてくる。
どうしたらいいかわからない私はぎゅっと目を瞑ったーー…
ドォンッッ!!!
「ッ!?」
突然、扉の破壊音が部屋中に響いた。
背中から強い風が吹いてきてびゅっと体をかすめ、薄暗がりだけの部屋に外からの蛍光灯の光が差し込む。
アーカード様を見上げると、彼は口角を上げてニッと笑っていた。
その視線の先から小さくこつこつと靴音が聞こえてくる。
「そこにいるのはわかっている。姿は隠せても強力な気が立ち上ってくる」
「『姿は隠せても』?私は逃げも隠れもしない。ただ少し…待ちくたびれただけだ」
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