【HELLSING】Eternitate...【アーカード】
第4章 SYMPATHY
「同感だ。全くもってその通りだ。お前は神に絶望しても諦めず、神ではない何か…邪神や悪魔に縋ろうともせず、自力で立ち上がり、自力で幸せになる道を選んだ。大した根性だ。これだから人間は素晴らしい」
アーカード様はサングラスの奥の赤い瞳で私を見据える。
「しかし、お前は自らの人生を、自らの幸福を差し出してでも、他人の幸福を優先する節があるようだ。それはなぜだ?」
「他の人はみんな、誰かに大切にされている人たちだからです。…言ったでしょ?私にはそういう人がいない」
急に寂しさが込み上げる。
誰かに大切にされたい。
誰かを大切に思いたい。
大切にするということは…愛するということ。
私にとっての幸せの意味。
幸せのかたちはみんな違うけど、根本の意味は変わらないと…私は信じてる。
そんな人間のかけがえのない幸せを、誰かが邪魔をしていいなんて道理はないわ。
たとえそれが自らの幸せの近道になるとしても。
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