【HELLSING】Eternitate...【アーカード】
第4章 SYMPATHY
そんなの…頭ではとっくに理解してる。
彼の言うことは至極真っ当。
わかってるの、本当は…。
わかってるから…言い返せない。
「酔狂な女だ。全く理解できん。殺そうとしている奴ら相手に、そこまで優しくしてやる道理がどこにある?」
優しくなんかない。
これはただの私のエゴ。
本当に慈悲があるのなら、あなたのようにセラスさんのように…頭を狙ってすぐ楽にさせてあげるべき。
でも…私はそんなことできない。
私が奪っていいはずのない命…。
グールから人間に戻れないって言うけど、もしかしたらほんの少しだけ戻れる可能性があるかもしれない。
私自身でそれを確かめてもないのに、そんな簡単に諦められない…。
ちょっとでも可能性があって、また大切な人の元へ彼らが戻れると言うのなら、私はーー…
「殺したくないという理屈なら安心しろ。グールはただ血肉を求めて動く死体だ」
「!」
動く…死体?
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