【HELLSING】Eternitate...【アーカード】
第4章 SYMPATHY
アーカード様に抱えられて来たのは、地下にある彼の部屋だった。
私はさっきのことでもう立っていられず、アーカード様が椅子に座っている前で地べたにへたり込んでいる。
「なぜ撃たなかった?」
赤い帽子とサングラスをかけたまま、アーカード様は足を組み、私を見下ろす。
私はその厳しい視線から目をそらす。
「彼らも元は人だった…。こんな形で死ぬことを、化け物になることを望んでいない人たちだったのに…っ」
悔しい…っ。
とても悔しい。
本当は死にたくなかっただろうと…。
彼らの無念さを考えると涙が溢れ出してくる。
「彼らはみんな誰かに愛されていました。誰かの大切な人をこんな醜い私の手で奪うなんてこと…したくない…っ。たとえ人として死んでいたとしても、私は生きていた彼らを見ているから…だから…」
「一度グールになったらもう人には戻れない。お前はそうやってまた殺されるところだったんだぞ?」
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