【HELLSING】Eternitate...【アーカード】
第2章 SALVATION
「あ、あなたは私を助けてくれた方…ですよね?」
「そうだ。運が良かったな、お嬢さん。最高に運が良かった。私がもう一足遅ければ、あの出来損ないのフリークスに確実に殺されていた」
そう、だったんだ…。
私、本当に死ぬところだったんだ…。
震える手を必死に抑え、彼の手を取る。
「あなたが私を助けてくれた。命を救われた。神さえ見捨てたこの私を…。本当に…ありがとうございました」
私は彼の赤い目を見つめて精一杯の感謝を伝える。
すると、彼は驚いたのか、手をバッと離して不意に目をそらす。
「主のオーダーだったからだ。お前を助けたくて助けたわけではない」
突き放すような言い方でもいい。
だってそれでも…私を助けてくれたことに変わりはないのだから。
あなたは、私の命の恩人。
でも…ちょっと寂しい。
「そう、ですよね。ごめんなさい…。わかってるんですけど…お礼は言わなきゃって」
「…そうかい」
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