【HELLSING】Eternitate...【アーカード】
第2章 SALVATION
「私、リーナと言います。あなたは?」
彼はゆるりとその唇に弧を描いた。
「アーカードだ、お嬢さん」
「アーカード…」
恩人の名前はアーカード。
赤い瞳、黒い髪、赤い外套、ニヒルな笑み…。
この人が私を助けてくれた。
「今日はもう休め。夜も更けている。人間は寝る時間だ」
「人間…?あなたも人間ではーー…」
あ…そうだわ。
さっき壁からすり抜けてーー…
そんなの、人間技じゃないわよね…。
「私は吸血鬼。ヘルシングに飼われている吸血鬼を狩る吸血鬼だ」
「あなたが…吸血鬼?」
「怖いか?」
助けてくれたのは神じゃなく、悪魔のような容姿をした…吸血鬼アーカード。
「いいえ」
「即答とは恐れ入った。なぜそうも簡単に断言できる?」
「人も…化け物みたいなものですから」
私がそう言うと、彼はフフフと笑った。
「なるほど。面白いお嬢さんだ。また…話をしよう」
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