【HELLSING】Eternitate...【アーカード】
第12章 LOVE ME?
「吸血鬼と人間のつがいなんて、やっぱりおかしいもの。それに、あなたにはもっと大事な人がいる。私、勘違いしてた…。こんな思いになったの初めてだったから浮かれちゃってたの…。本当に…ごめんなさい…っ」
浮かべた作り笑顔が剥がれ落ちる。
そんな泣き顔を手で覆い隠す。
くだらない茶番だとまた笑い飛ばして、もう手を差し伸べないで…。
そうしたら、私はあなたとの思い出を胸に抱いてここを去り、また元の独りの生活に戻ります…。
「お前は…この私がただのお遊びでその唇もその純潔も全て奪ったものと…本気で思っているのか?」
私はアーカードの声を聞いてハッとした。
彼の声音がいつも以上に必死なのがわかる。
「一目見て心臓が震えた。翼をもがれた天使が天から落ちて、私の前に現れたのかと錯覚した」
アーカードは大きく一歩私の方へ足を踏み出す。
うつむく私の前髪が彼の服に触れそうなくらい…。
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