【HELLSING】Eternitate...【アーカード】
第11章 DISTRUST
「だ、大丈夫ですか!?」
私は思わず彼に駆け寄り、傷の具合を見る。
「ん?あぁ、なんてことないって」
彼は平気そうな顔して笑っている。
うぅ…。
なんだか鉄の棒で殴られたみたいになってる…。
「セラスさん!やり過ぎよ!」
「つ、つい…」
セラスさんはハハハと苦笑いしてる。
まぁ、セラスさんもインテグラ様からのオーダーとこの人達に笑い者にされたからなんだと思うんだけど…。
私はハンカチで男性の額から出血する傷口を抑える。
「痛くありませんか?」
「あ、あぁ…」
彼はちょっと戸惑いながらも、私の方をじっと見ている。
「お嬢ちゃんも…その、吸血鬼なの?」
「いえ。私はただの人間ですよ」
すると、男性はそれを聞いた途端にニヤッと笑い、私の腰をぐいっと自分に寄せる。
「な、何するんですか!?」
「ターゲット変更。お嬢ちゃんかわいいな」
「はぁ!?」
訳がわからず思ったことをそのまま口に出してしまう。
「名前は?」
「リーナ、です…」
「リーナちゃんてのかぁ。俺ぁベルナドット。よろしくー」
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