【HELLSING】Eternitate...【アーカード】
第11章 DISTRUST
そんな私とは反対に、インテグラ様は毅然として男たちに向かって淡々と話を進める。
「お前たちの敵は人間の血を吸うことで不老不死身になるヴァンパイアだ。にんにくと聖水を携えて白木の杭を心臓に打ち込んだり、首を切ったり、死体を焼いたり、十字路に灰を撒いたりするのが我々の仕事だ。詳しくはブラム・ストーカーを読め」
「バカバカしい!」
「吸血鬼がこの世に存在するわけが…」
そうね。
そう思うのも無理はない。
私でさえ吸血鬼なんていうのはおとぎ話の悪役で、全部フィクションのことだと思っていたんだもの。
いや、普通は誰もがみんなそう思ってる。
でも、そうじゃなかった。
あの夜、あの村で、私の身に起こった出来事は全て…現実だったのだからーー…
「お前たちが知らないだけだ。いや、正確には知らされていないだけだが…。100年前に結成された我が王立国教騎士団ヘルシングが長い長い間、人知れず活動を続けてきた本来の目的はヴァンパイア達との闘争のため…」
インテグラ様は疑心暗鬼の男たちをフッと鼻で笑った。
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