第25章 悪魔 1
観光シーズンだったらしく、ホテルのスタッフは全員で同じ部屋に泊まることは難しいと言った。そうでなくても、7人も同じ部屋をとるのはかなり難しいと思う。
「では部屋割りは、わしとアヴドゥルで1部屋。」
「では僕と承太郎でもう1部屋を。学生は学生同士と言うことで。」
「ふん。」
「あとは…。」
残ったのはポルナレフとアンと私か。
「俺は一人部屋で良いぜ。」
ポルナレフはそういうと、さっと部屋の鍵をひとつ取った。
「なら、私たちは女同士仲良くやりましょ。」
それぞれ部屋に行き、1時間後におじいちゃんたちの部屋に集合して話し合いをすることになった。
「久しぶりのベッドだぁーーー!」
ベッドに思い切り飛び込んだ私を見て、アンは少し冷めた声で言った。
「お姉さん、意外と大人気ないことするのね。」
「そういうあんたは子供らしくないのね。無事にここまでこられたんだから、もっとはしゃぎなさいよ。」
そう言うと私はアンの髪をわしゃわしゃと撫でる。
「うわっ!」
「ふふ。そうだ、お風呂沸かすわね。ここ数日シャワーさえなかったから、早くさっぱりしたいでしょ?」
アンは私に半ば呆れた眼差しを向けていたが、気にすることなく浴室へとむかった。
ホテルの部屋に入った瞬間にソードマゼンダで風を這わせたが、生き物やスタンドの気配はなかった。浴室は湯気が漏れないよう密閉した造りになっていたので、念のために自分の目で確認しにきたのだ。
「ここも異常なし、と。」
敵がいないことを確認し、私はお風呂を沸かした。
「クマ、できてる…。」
浴室の鏡に映った自分に思わず苦笑いしてしまった。自分が思うより船の旅に疲れていたみたいだ。