第56章 正義 2
「承太郎にはああ言ったけど、おそらくこのホテル中囲まれてるのよね…。」
ソードマゼンダで風を送ったときに、外にうごめく複数の物体があったのだ。しかも、どれも体温というものを感じられなかった。
ガタタタッ!
「!!?」
音のした方を見ると、扉を開けて町の住人が一斉に押しかけてきた。
先ほど調べていた旅行者もその中に混じっている。
やっぱり死体が動いているんだ…。でも、どうやって操っているの?
旅行者の死体を見ると、傷口から薄い霧が出ていた。
他の死体も同じように穴から霧が出てきている。
「霧のスタンド…?霧で死体も操っているのね。」
触ることのできない霧は、パワータイプのスタープラチナとは相性が悪そうね。
私が相手をしたほうが良かったかもしれない。
おじいちゃんを呼ぶ前に、やっぱり私も参入しよう。
承太郎が入っていった扉を開けると、ちょうどスタープラチナが霧のスタンドを殴っているところだった。
予想通り、霧に拳は聞かないようで、おばあさんはピンピンしている。
「拳が無理なら、風はどうかしら?」
ソードマゼンダが風を出すと、霧は吹き飛ばされてひとまとめになった。
「さ、ソードマゼンダとダンスしましょう!」
そのまま風でソードマゼンダと、おばあさんを勢いよく回転させると、彼女は目を回して倒れた。
「やれやれ、これで婆さんの頭の中にも大好きな霧がかかったというわけだ。」
「ふふ。相手が悪かったわね。」
私と承太郎は、おばあさんの体を紐で拘束した。
承太郎がおじいちゃんにうっかり(いや、あれは絶対わざとだ)、ポルナレフがどこを舐めたのか教えちゃったので、散々からかわれていたのは、また別の話。