第25章 悪魔 1
「キャハハハハ。」
「ん?」
幼い笑い声が聞こえ、に私たちは一斉にそちらを見た。
「なんだ?あのガキ、まだくっついてくるぜ。」
私たちの視線に気がつき、少女アンは笑うのをやめる。
「おい、親父さんに会いに行くんじゃあなかったのか?」
「俺たちにくっついてないで早く行けばぁ?」
「ふん、5日後落ち合うんだよ。どこ歩こうとあたいの勝手だろ?」
おじいちゃんやポルナレフの指図など意にも介さず、アンはそう答えた。そのあとアンはチラリと承太郎の方を見た。その視線は明らかに熱を帯びている。
「あの子、我々といると危険だぞ。」
「だが、お金がないんじゃあないのかな。」
アンの身を心配して相談しあっているみんなを尻目に、アンの心情を察して私はニヤリと笑った。
「なるほどねぇ…。」
承太郎に惚れたか。まあ、あんなヒーローみたいな助けられたらそうなっちゃうか。女だもの、気持ちはわかるよ。
私も彼の影響もあってろくに恋をできた経験がない。承太郎が好きとかそういう意味ではなく、単に彼を男としての比較基準にするには破格な存在だったと言うこと。
友人曰く、私は男の理想が高すぎるらしい。
好みに対して拘りがあるわけじゃあないけど、少なくとも人のために全力で動くことができる芯の強い人じゃないと嫌だとは思う。人として尊敬できない相手を、私は恋愛として好きになるなんて無理だ。
まあ、この考えが承太郎やおじいちゃんみたいな人が近くにいた影響だという事に気がついたのは最近なんだけどね。
そんなことを考えているうちに、どうやらアンも一緒にホテルへ連れて行くことになったらしい。
「ポルナレフ、彼女のプライドを傷つけんよう連れて来てくれ。」
「あいよ。」
ポルナレフは意気揚々と返事をしてアンの方へ歩き出す。
「おい、貧乏なんだろ?恵んでやるからついてきな!」
「はぁー。」
「ふふふ。」
「あはは!」
他のみんながため息をつくなか、あまりにデリカシーのない発言に私と花京院は声を出して笑ってしまった。