第25章 悪魔 1
運良く貨物船に拾われ、私たちはシンガポールに上陸した。
「シンガポール、きれいな国ね。」
シンガポールは思っていたよりも都会で、大きなビルが立ち並び、ごみもなく美しかった。
船旅の疲れもあり、私は大きく伸びをした。
「とりあえず今日はホテルに泊まり、今後の進路について決めるとするか。」
「久しぶりにベッドで寝れるのね。」
「呑気な奴だな。」
香港を出てから、ずっと固い船の上で座って寝ていたんだもの。そりゃあ浮かれるわよ。
「こら、きさま!」
声がする方を見ると、警官が怒鳴りながらこちらに向かってくる。警官はポルナレフに、ごみをぽい捨てした罰として500シンガポールドルを払うように言った。
「500シンガポールドル…。日本で4万円程か。」
「ごみ…何のことだ?」
警官が指差していたのは、ポルナレフの荷物だった。
「ぷっ。」
「ごみ…。ふふっ。」
私とアヴドゥルは笑いを堪えきれずに吹き出してしまう。
「俺には、自分の荷物の他にはなぁーんにも見えねーけどー?ごみってどれか教えてもらえませんかね!」
ポルナレフは警官の方に向かって歩き出す。
「どこにごみが落ちてんのよ、あんた!」
「ええ!!こ、これはあんたの荷物!?」
ポルナレフが凄むと、警官は慌て始めた。
「し、失礼した!!」
警官は急ぎ足で逃げていった。ポルナレフは警官にシッシッと手を払っている。その光景がおかしくて、みんなで大笑いした。